キルケとちーちゃんの本棚

本好きの主婦が書く、娘と読んだ本たちの記録です。

6月30日「オズのまほうつかい」フレーベル館 30ページにドロシーとその仲間の冒険を集約…その結果…

ミュージカルでも有名な、アメリカの児童文学の名作「オズのまほうつかい」。

この作品は、元々作者のフランク・ボームが自分の子供たちに語って聞かせた物語とのこと。

不思議の国のアリス」も「くまのプーさん」も作者の子供、あるいは身近にいる子供たちに語り、彼らの反応を見ながら、物語は作られています。児童文学は、まず目の前にいる子供達に語って聞かせて、楽しませるということは実際に大切な要素なんだなと思います。

作者も目の前に子供達を意識するからこそ、想像力をかきたて、その物語の世界に引き込む力のある作品が産まれるのでしょう。

だからこそ、子供をもつ大人達は読み聞かせでは、勇気のある優しい女の子を、怖い魔女などを精一杯心を込めて演じてあげなきゃいけない。ただ文章を読むだけじゃ、充分ではない。その世界を表現してあげなくてはと思います。

よって、例えばヨコミネ式などでいう、「3歳からは読み聞かせせず、子供たち自身に読ませる」というのは個人的には反対です。勝手に子供たちが読むのはいいが、それはそれとして、読み聞かせもするべきだと思います。

何故なら、単に文字が読めるのと、物語を楽しめるのとでは、まったく違うから。物語の言葉は、単なる記号ではなく、もっともっと奥深いもの。それを読み取るには、単に文字が読めるというだけでなく、実際の経験も必要だと思います。大人は経験があるからこそ、物語の人物を巧みに演じ分けられる。そうした大人の演技の助け無くしては、まだまだ少なくとも3歳でも、充分物語を楽しめないでしょう。

私は自分がそうであったように、いずれ本から自分がまったく知り得ない、体験し得ない世界や感情を娘に知ってほしいと思います。そのために、読み聞かせは大事にしてきたいです。

 

…と、自分の読み聞かせ論を熱く語ってしまいましたが…

今日の本は

「オズのまほうつかい」(フレーベル館

フランク・ボーム原作

木坂涼

朝倉めぐみ絵

です。

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日本人は映画、ミュージカルでおなじみの人が多いですよね。

私も何度か子供のときに、ミュージカル映画オズの魔法使い」を観ました。何度観ても楽しく、面白く、最後にドロシーがカンザスに帰るときは寂しい気持ちになったのを覚えています。

ドロシーを演じたジュディ・ガーランド。本当に可愛かった…

この時代の女優さんは神がかったような美しさですよね…あ~可愛い、きれい…

ジュディ・ガーランド

それはさておき…元々原作の「オズの魔法使い」は、シリーズ物であり、長い長いお話。映画だってはしょっているくらいです。

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これを31Pの絵本にまとめているのが、フレーベル館の「オズのまほうつかい」なわけですが、当然ながら、かなり駆け足でドロシーとのその仲間たちの冒険談が進行します。なにしろ、カンザスからハリケーンで飛ばされて、3人の仲間に出会い、オズの都に行って、魔女を倒して、カンザスに帰らないと物語は落着しないので。とはいえ、これ以上長くなると、読むほうも、聞くほうも息ぎれするので、年長児に効かせる絵本としてはこの長さが限界だとは思います。

私は駆け足すぎて、せっかくの冒険談が十分楽しめなくて残念に思いましたが、娘は駆け足の冒険談をじっと聞き入っており、「おもしろい!」とかなり楽しんで、数回読んでほしいとおねだりされました。例え駆け足で進行しても、子供を惹きこむ力はさすがは名作ですね!この絵本は、「オズの魔法使い」入門としては、ばっちりなようです。もっと大きくなったら、シリーズの「オズの魔法使い」に挑戦したいと思います。

 あと、久々に映画が観たい!「虹の彼方に」名曲ですよねぇ…